• サラブレッドが産まれてから競走馬になるまでの過程

    2024年2月12日

    日本の場合サラブレッドはほとんどが1月から6月間に産まれます。馬は産まれた時点で0歳(当歳)となり、その年を越すと1歳になります。サラブレッドがJRA(中央競馬)または地方競馬に所属し競走馬としてデビューするのは、早くて2歳の6月、遅くても3歳の夏までにはほとんどの馬がデビューします。ただし全てのサラブレッドがデビューできる訳ではありません。

    種付け

    種付けは2月から7月がシーズンとなっています。競馬会では自然交配が基本となっており、非常に危険を伴う行為でもあります。交配中に牝馬が牡馬を蹴り上げてしまい、牡馬が死んでしまうという事は少なくなっていますが、交配中の牡馬の心拍数が急上昇して心筋梗塞を発症し亡くなってしまうというケースもあるようです。

    受胎から誕生まで

    種付け後に受胎を確認してから約11か月で仔馬は誕生します。仔馬は産まれてから1時間後には自力で立ち上がる事ができます。仔馬は産まれてから5~6か月の間は母馬の愛情の元で育ちますが、その後は仔別れ(乳離れ)と言って母馬と別れて過ごすことになります。仔馬にとっては悲しい事ですが、競走馬として育っていく為には避けては通れないことなのです。

    放牧

    母馬から分かれた仔馬たちは放牧に出されます。馬は元々群れで行動する動物です。母馬から分かれても群れの中で過ごすことで精神面の安定にもつながっているようです。放牧に出す理由は運動をさせることで基礎体力を付けるためです。夜に厩舎に戻さずそのまま放牧させる「昼夜放牧」を行う牧場も多くなっています。これは夜間でも不安だと歩き回るため、結果運動量が増えて体力が身につくからです。ただしずっと放牧するわけではなく、一定時間は厩舎に戻ります。放牧時には「追い運動」が行われます。追い運動とは集団的に馬を追って運動させることで、特に冬場になると放牧ができなくなるので、運動不足を解消するために追い運動を行います。

    1歳の秋ごろになるとハミという馬具を付け、人を騎乗させる騎乗訓致が行われます。そして人を乗せることに慣れたら、競走馬になるための訓練が始まっていきます。若馬はまだ骨がしっかり固まっていないので、訓練は状態を見ながら徐々に行っていき、常歩・速歩・駆歩といった騎乗運動を行っていきます。

    競走馬になるための訓練をしっかり行ってきた馬たちは、2歳春になるとトレーニングセンターに入厩します。そしてそれぞれの担当調教師の元でデビューに向けて調教を行っていきます。

    デビューに向けての訓練

    そして競走馬として晴れてデビューできるのは、JRAの場合は2歳の6月から、地方競馬では早くて2歳の4月からになります。JRAでデビューした馬は3歳の夏までに未勝利戦を勝ち上がれない場合は、地方競馬に移籍したり乗馬になったりと第二の活動拠点に移っていきます。無事に勝ち上がることができた馬は、だいたい6歳から8歳くらいまで現役でレースに出走し引退していきます。ただしレベルが上がるに連れて自分の能力が回りについていけなくなり、出走できるレースがなくなって地方競馬に移籍または乗馬になる馬もいます。

    G1や多くの重賞を勝った牡馬は種牡馬となり、ある程度の活躍した牝馬や血統的に魅力のある牝馬は繁殖牝馬として第二の余生を送ることになります。

    競走馬は産まれてから命を全うするまで、生産牧場のスタッフや馬主、調教師、厩務員、騎手等といった様々な人と関わっていくのです。

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