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競走馬の基礎知識:心不全と心房細動の違いについて
2024年2月12日2023年の日本ダービーはタスティエーラが1番人気の無敗の皐月賞馬ソールオリエンスを抑え、世代No.1に輝きました。節目の第90回という事もあり、かなりの盛り上がりを見せましたが、レース中に色々なハプニングがあり、何とも言えない後味の悪い結果となってしまったレースでもあります。
まずスタート直後に昨年のホープフルSの覇者ドゥラエレーデがバランスを崩して、坂井瑠星騎手が落馬するアクシデントがありました。そしてゴール前では、急に失速した2番人気のスキルウィングがゴール後に転倒し動かなくなってしまいました。ルメール騎手が鞍を外して介抱しましたが、その甲斐もなくそのまま亡くなってしまったのです。スキルウィングの死因は心不全という事ですが、競走馬はよく心不全で亡くなるケースが多いようです。
競走馬の心不全は人間のそれと同じく、心臓の機能が正常でなくなってしまい全身に血液を送れなくなってしまう症状です。
心不全はレースや調教中など激しい運動中に起こると思いがちですが、実はそうでもないようです。前日まで元気だった馬が朝になったら亡くなっていたという事もあるそうで、その原因が心不全という事もあり、心不全になる原因も完全に分かっているわけではないようです。
近年、調教技術のレベルアップや医療の進歩によりレース中の骨折で命を落としてしまう馬は減ってきている一方で、心不全により命を落としてしまう馬が増えてきている傾向があります。これは競走馬の育成技術が発達し、より速く、より強い馬が増えてきていますが、逆に身体に掛かる負担も増えているようです。負担を補うために飼葉も改良され、高カロリーになっている事も心不全が増加している一因のようです。
心不全とは別に心房細動がありますが、馬の心房細動とはどのような症状なのでしょうか。2023年の京都記念でエフフォーリアや天皇賞春でタイトルホルダーが発症して競争を中止したことは有名ですが、JRAホームページの競馬用語辞典の説明によると以下になります。心臓に異常な電気信号が起こり、心房が規則正しいリズムを失う不整脈の一種で、競走馬がレース中に発症すると、血液を全身に送り出せなくなるため急激に失速する。ヒトの心房細動とは異なり、全く異常のない競走馬がレース中に突如として発症し、特に治療を行わなくても治癒するものがほとんどだそうです。
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