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「障害者」「障碍者」「障がい者」の違いとは?福祉現場16年の私が考える言葉の意味
2026年6月19日
「障害者」「障碍者」「障がい者」。
同じように使われることの多い言葉ですが、それぞれに異なる背景や考え方があります。
障害者福祉に16年間携わってきた私が、それぞれの表記の違いと、実際に支援現場で感じてきたことをお伝えします。
障害者には、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病の方々がいらっしゃいます。
これらの方々のことを、「障害者」と言いますが、最近この名称を文字で表記する際、色々な表記のされ方が見られます。
「障碍者」や「障がい者」、また「障害を持っている方」や「障害のある方」など、
様々な言い方や表記の仕方があります。
私はどうして、こんなに色々な言い方があるのか不思議に思っていました。
○障害者の定義
厚生労働省によると、障害者の定義は以下の通りです。
ー障害者基本法における「障害者」とは、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」と定義している。ー
つまり、国が「障害者」と表記しているので、これが正しいのだと思います。
それでも障害者福祉の世界では、時々「障碍者」や「障がい者」といった表記をされていることがあります。
それでは、「障碍者」や「障がい者」はどのような趣旨で表記されているのでしょうか。
○障碍者
障碍者の「障碍」は、もともと仏教用語で、
・悪魔や霊が妨げること
・宗教の妨げ
・障壁
といった意味があるそうです。
日本では古く平安時代から、この「障碍」という文字を使用している記録があり、江戸時代末期頃から「障碍」と「障害」が併用されるようになったそうです。
つまり「障碍者」とは、旧字と認識して良いのかも知れません。
○障がい者
障害者の「害」という字を使うと、
「障害者の方を傷つけてしまうのでないか」
という配慮から、
「障がい者」という表記にしているそうです。
つまり「害」という字を使うことで、障害者自身が社会の「害」であると見られてしまう恐れがあるので、柔らかく表現したのでしょう。
もしかしたら「障碍者」という文字も、「害」よりも「碍」の方が
・まだ柔らかみがある
・意味が分かりづらいのでマイナスのイメージになりにくい
と考えて使用しているのかも知れません。
しかし実際「碍」という字は、「害」と変わらないくらいの意味があるのが事実です。
○障害を持っている?障害のある方?
障害者という文字に対して、
「障害者は社会にとって害である」と思われると考えてしまう人が多いかも知れません。
しかし私は、その人自身が社会の害なのではなく、社会や環境の側に生きづらさを生み出す要因があるのではないかと考えています。
そのように考えると、「障害者」という表記そのものが問題なのではなく、その言葉をどう受け止める社会であるかが大切なのではないでしょうか。
また、よく「障害を持っている方」や「障害のある方」といった言い方をされることが多いですが、これについても私なりに考えてみました。
これも「障碍者」や「障がい者」と同じように、障害者という言葉を柔らかく表現しようとしているのだと思います。
しかし「障害を持っている」、「障害のある」と言ってしまうと、やっぱりその人自身が障害なのだと思ってしまいがちだと考えてしまいます。
あくまでも障害とは、その人自身ではなく、その人を取り巻く社会や環境です。
私自身は、「障害のある方」という表現よりも、「社会や環境から様々な制限を受けている方」という考え方の方が実態に近いのではないかと感じています。
まずは、実際に障害者の方がどう感じているのかを考えるのが大切だと思いますので、色々議論していく必要はあると思います。
○私が関わっていた障害者の思い
私が以前勤めていた、ある障害者グループホームの利用者の方の話です。
その方は20代の女性で発達障害の方です。生活する上で必要な日常生活動作(ADL)はしっかりされていますが、コミュニケーションに少し難がある方でした。
その方は、自分が障害者であることを認めたがらず、なぜ自分がグループホームで生活しなければならないのか納得していませんでした。
当時の彼女は、自分が障害者であることを受け入れられず、障害者という言葉そのものに強い拒否感を抱いていました。
ある日、私はその方に障害者についてのイメージや思いを聞いてみたら、その方は、
「障害者なんて社会のゴミ」
「私はそんな人と一緒にしてほしくない」
結構キツい言葉でしたが、
私はその言葉に驚きました。
どうしてそう思うのか聞いたら、
「だって世の中の害じゃん」と言われたので私は、
「そういう考えなんだね、あなたが社会の害なんじゃなくて、あなたにとって社会が害なんじゃないかな? そう考えたら少しは障害者って言われても辛くならないかな?」
と言ってみたら、ちょっとだけその人の表情が柔らかくなった気がしました。
その日以降、その利用者の方と話がしやすい関係になりましたが、それでもその方の障害者に対する思いはまだマイナスなイメージが残っていました。
○支える側の人が心掛けること
・障害者福祉の仕事に従事されている方
・ご家族に障害者の方がいて日々介助されている方
・街で困っている障害者の方を見て手を差し伸べる勇気のある方
以上のような支える側の人は、障害者の方が「障害」という言葉について、どう思われているのかを考えることが大切だと思います。
そして支援する時、その方の尊厳やプライドを傷つけないように配慮する必要があります。
支援を受ける側が、
「申し訳ない」とか「こんな自分でいるのが辛い」と思ってしまうことがないように、支援する側の言葉掛けや表情に十分気をつけると良いでしょう。
障害者にとって、
「自分が社会の害」なんて思いたくはないと思います。
これは障害者に限らず、全ての人に言えることだと思います。

○最後に
障害者の方は、日常生活や社会生活だけでも、色々な制限を受けながら一生懸命生きていらっしゃる方もいます。
もちろんそうでない方もいらっしゃいますが…
それなのに、その方の呼び方や表記のされ方でも辛い思いを強いられてしまうのは、本当に避けなければなりません。
正直、呼び方や表記の仕方はどれも間違いではなく、正しいのかも知れません。
大切なのは、障害という意味が、
「障害者が社会の害ではなく、その方にとって社会が害である」
ということが、一般常識として定着することだと思います。
そうなることで、
「自分が障害者である」ことに引け目を感じずに、自信を持って生きていけるようになるかも知れません。
このように、早く障害者の方が、堂々と生きていくことができる社会になることが、私の願いでもあります。
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