• 初めての入院で気付いた、母と父の本当の気持ち

    2026年7月4日

    この記事を書いている時、私は入院しています。

    大した病気ではなく、口腔内に異物が溜まっており、それを除去して病理検査にかける手術を行うため入院しています。

    そもそも口腔内に異物があるかも知れないと分かったのは、昨年末に受けた人間ドックです。

    毎年受けている人間ドックの脳のMRIで、右奥歯の上と鼻の近くに膿のような異物があるのが分かりました。  

    そして口腔外科の受診を勧められて受診したところ、医師から手術して切除する必要があると言われ、手術を行いました。

    現在は術後の経過観察で入院中の身です。

    ○初めての入院で感じたこと

    私は今年で53歳になりましたが、今まで入院や全身麻酔での手術を経験したことがありませんでした。

    何もかもが初体験なので、入院日が近づくごとに不安と緊張が高まっていきました。

    最終的には、「もうやるしかない」という覚悟ができて、手術に臨みましたが、 手術台に乗ってしばらくしたら、意外と呆気なく終わっていました。

    しかし、手術が終わってからの入院の方が辛く感じています。

    ・術後の痛み

    ・流動食やお粥ばかりの食事

    ・ただ寝てるだけの退屈感

    「どうして自分だけがこんな目に遭うのだろう」と、自暴自棄になりそうになることもありました。

    そしてまだ入院中ですが、そんな中ふと母と父が入院していた時のことを思い出しました。

    「あの時、父さんや母さんは今の自分と同じように、早く家に帰りたかっただろうな」

    そんなことを考えながら、退屈な時間を潰しています。

    ○母が入院していた時の心境について

    私の母は病院が大嫌いでした。

    どんなに身体が不調でも病院には行かず、なんとか自力で治している人でした。

    結局その病院嫌いの性格が仇となり、癌の発見が遅れ手遅れになり、1年の闘病生活で亡くなりました。

    母がステージ4のスキルス性胃癌が分かって次の日から入院となり、私は毎日のように仕事帰りに面会に通っていました。

    私が面会に行くと、いつも決まって

    「こんなことになってごめんなさい」

    と母は自分を責めていました。

    私が面会から帰ると、病室の窓から私の姿が見えなくなるまで手を振っていたことは、今になっても忘れません。

    それだけ入院中は寂しかったのだと思います。 私も今そう感じています。

    ただ私の場合はほんの1週間程度の入院で、母の場合は3ヶ月の入院と長い期間だったので、それはさぞ辛かっただろうと思います。

    そしてもう一つ、今回の私の入院と母の入院の違いは、その入院が死と直結しているかどうかです。

    母はステージ4の末期癌だったので、いつまで生きられるかという戦いでした。

    ・治るかどうか分からない

    ・入院がいつまで続くか分からない

    ・残された家族に対する申し訳なさ

    母は、そんな思いを抱えながら、長い入院生活を送っていたのではないかと推測します。

    ○父が入院していた時の心境について

    私の父は私が社会人に成り立ての頃、当時流行っていた「親父狩り」に遭い、右手首の腱を切る怪我を負ったことがあります。

    その時に2週間ほど入院して手術しましたが、父はその怪我の影響で、大好きだったゴルフができなくなり、とても悔しがっていたことを覚えています。

    その後、「親父狩り」の犯人グループは全員捕まり、ニュースにも出たほどの事件でした。

    それから20年以上経ち、次に入院したのが、前の記事でも書いた精神病院です。

    母の時と違い、父はアルツハイマー型認知症での入院だったので、自分がなぜ入院しているのか理解できなかったと思います。

    ・ここはどこなんだろう

    ・なんで自分はここにいるんだろう

    ・自分はこれからどうなるんだろう

    過去の記憶や家族のこと、そして自分のことすら、どんどん忘れていってしまうことに対する恐怖と戦いながら、どんな思いで入院生活を送っていたのでしょうか。

    想像しただけでも、心が締め付けられそうです。

    今私は入院という体験をしながら、

    「あの時、父さんを早く家に帰してあげられれば良かったのに」

    と、後悔の気持ちが強く出ています。

    ○私が入院を経験して変わった思い

    入院する前の私が、両親の介護で感じていたことは、 母に対しては、すがる思いで必死に介護し、 父に対しては、どんどん老いていく父を目にしながら、やるべき事をこなしていく感じでした。

    しかし自分が入院を経験し、病床でこの記事を書いている今、 母と父の入院していた時のイメージが湧いてきます。

    それは、寂しさ・虚しさ・絶望感です。

    あの当時、私が思っていた以上に、母も父も辛かったのだと思います。

    せめて、もう少しくらい優しい一言を掛けてあげられなかったのか。

    そう後悔しています。

    特に父に対しては、介護中に強く当たってしまうことが何度もありました。

    自分の父がこんなにも老いてしまうことを、受け入れられない自分がいたのです。

    今になって、なんであんな言葉を掛けてしまったのかと考えながら、病床で過ごしています。

    ○最後に

    親の気持ちを理解した時には、すでにこの世を去っていることって、よくあることだと思います。

    「なんであの時、○○しなかったんだろう」

    と、 後悔しても、後の祭りです。

    でも後悔なんて、いくら親孝行してもするものだと思います。

    親孝行しなかった後悔よりも、やるだけのことをやっての後悔だったら、良しとしないと心が持ちません。

    そこは割り切って考えないといけないとは思うのですが、入院中の身だと、なかなか前向きになれない自分がいます。

    退院するまではしっかり休んで、元気になってから、また考えた方が良いですね。

    今回の入院で感じたこの気持ちは、これから介護をしている誰かの気持ちを理解する時にも、きっと忘れてはいけない経験になると思います。

    その他のカテゴリ紹介

    引退馬支援と命の余生https://kyosoba-yosei.com/category/intaiba-shien

    福祉の仕事と支援https://kyosoba-yosei.com/category/fukushi-workandsupport

    自分を支えるメンタルケアhttps://kyosoba-yosei.com/category/mental-care

    高齢犬との暮らしhttps://kyosoba-yosei.com/category/elderly-dog