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親の介護を通して得られた自信|人を支えることで見つけた生きる意味
2026年7月17日
私が父と母の両方の介護を行った話は、以前の記事でも書きました。
そして母の介護の経験をきっかけに、福祉の仕事に携わることになった話もしました。
親の介護は体力的にも心身的にも、とても辛いものです。
しかし私は、この親の介護を経験して、 「自分が存在する意味」を獲得できたと思っています。
今回の記事では、この「自分が存在する意味」を獲得できた経緯について書いていこうと思います。
○親を介護する前の自分|自分の存在の意味を知らなかった時代
私が母を介護することになったのは、私が30代前半の頃でした。
それまでの私は、その日その日を何気なく生きている感じでした。
誰かの役に立ちたいとか、人から感謝されたいと考えることはほとんどなく、ただ漠然と生きている感じでした。
そんな漠然と生きていた時代のエピソードを紹介します。
エピソード①
私は子供の頃から、憧れの仕事や将来の夢というものを、ほとんど持っていませんでした。
早く大人になって仕事をして、いっぱいお金を稼ぎたいという気持ちもなかったくらいです。
小学生の時、地元の少年野球チームに入りましたが、入った理由はただ友達に誘われたからだけです。
野球自体は好きで、よくテレビでプロ野球中継を見ていましたが、実際に自分が少年野球チームに入ってみると、キツい練習が嫌で早く辞めたいという気持ちが少なからずあったのを覚えています。
エピソード②
私の最初の就職先はある食品会社でしたが、大学で選考していた学科とは全く関係のない職場でした。
私がその職場を選んだ理由は、ただ大学の時の好きな先輩が入った職場だったからです。
そもそも大学を選んだ理由も、高校時代のある先生の授業が楽しいと感じただけでした。
本当に何も考えず、周りに流されて、ただその日が楽しければ良いという考えで生きていたと思います。
そんな人生を送ってきた私ですが、ただ唯一、生きていく上で心掛けていたことがあります。
それは、 「人の迷惑になることはしない」 でした。
理由は分かりませんが、私は子供の頃から人が悲しい思いをしたり、泣いたりする場面を見ることを、とても嫌がることがありました。
そういう場面に遭遇しないように、人と関わる時は、常に相手のことを優先にし、自分の意見を言ったり自分の要求を通そうとすることはしませんでした。
言い方を変えれば、ただ気の弱い子供だったのかも知れません。
○親の介護を通して変わった気持ち
そんなその日暮らしをしていた私の気持ちが変わったのは、母の介護をしている時でした。
母は末期の胃癌で、1年間の闘病生活の末に亡くなりましたが、私はこの間必死に母の介護を行いました。
日に日に体力が落ちていく母に対して、できる限りのことをしたつもりです。
なぜ今まで呑気に生きてきた自分が、これほど必死に母の介護に携わるようになったのか、とても不思議です。
今まで私の生活を支えてくれてきた母が倒れ、その母がいなくなってしまうかも知れないという現実を受け入れられず、しかし日に日に元気が無くなっていく母を前に、藁にでもすがりたい気持ちで、必死に介護をしたのだと思います。
そして私の気持ちが変わったのは、母の介護を通してでした。
私は母に対してできることは何でもしました。
・食事の介助
・トイレ介助
・点滴の交換
などの介護をしながら、今まであまりできなかった母との会話も積極的にしました。
母は私が介護をする度に、 母は弱々しい声で「ありがとうね」と言いました。
その一言は何気ない言葉でしたが、不思議と今でも忘れられません。
何度も母から「ありがとう」と感謝の言葉を言われると、心の中である変化が起きている感じがしました。
それは今まであまり感じたことのない感覚でした。
母からの感謝の言葉が、逆に私を救ってくれたのかも知れません。
母は私に感謝を伝えることで、私自身に自分の役割というか、「自分にも生きる意味はあるんだ」という気持ちを持たせてくれたのかも知れません。
それが私の「自分が存在する意味」だったのだと思います。

○人の役に立てた実感から得られた自信
私は母の介護を通して、人の役に立つ喜びを知りました。
そしてその喜びをもっと感じたくて、人の役に立てる仕事を探しました。
そこで辿り着いたのが福祉の仕事です。
その後私は16年間、障害者福祉の仕事に携わっています。
その仕事を通して様々な利用者の方の役に立てるように頑張ってきたつもりです。
しかし結局のところ、障害者の方の為にやってきたことも、最終的には自分の為になっているのだと思います。
障害者の方のの為に働いたことで、その方から感謝されることはありますが、結局その感謝が自分の自信につながっていきます。
結局、「人を支えることは自分自身を支えること」になるのでしょう。

○最後に
私は親の介護をしている間は、いつも辛さを感じていました。
今、親の介護をされている方もそうだと思います。
しかしその介護で親から感謝してもらえたら、いずれその人の自信になりますし、これからの生きる糧になるかも知れません。
実際私がそうでした。
親の介護は決して楽なものではありません。
しかし、その時間は決して「失うだけの時間」ではありません。
誰かを支えた経験は、いつか必ず自分自身を支える力になります。
私にとって親の介護は、大切な人との最後の時間であると同時に、自分自身の人生を変えてくれた時間でもありました。
そう考えられれば、少しは前向きな気持ちで親の介護に関われるかも知れませんね。
介護の負担を一人で抱え込まず、専門の窓口に相談することも大切です。制度や手続きの詳細は、厚生労働省の公式ページや、お住まいの自治体の窓口をご確認ください。
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